優先搭乗の疑問を解決!条件は?順番は?妊婦の場合は?など【ANA,JAL】
「優先搭乗」とは、一般のお客さんよりも先に飛行機に搭乗できるシステムです。ANAやJALなどの航空会社によって異なりますが、基本的な流れは同じです。
どういう人が優先搭乗できるのか?
まとめてみたので、ご確認ください。
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目次
優先搭乗の順番
ここでは、利用する頻度の高い、ANAとJALの優先搭乗の順番を確認してみます。両社ともに、以下の流れになっています。
- 事前改札サービス
- 優先搭乗
- 全てのお客様
各項目について解説します。
事前改札サービス
事前改札サービスとは、「おからだが不自由なお客様、妊娠中・ご高齢などのお客様」を最優先で機内へ案内するサービスです。妊婦さんの場合は、事前改札サービスの対象者なので、優先搭乗よりも先に飛行機に入ることが出来ます。
ANA
JAL
ANAは「らくのりサービス」、JALは「JALスマイルサポート」という名前が付いていますが、内容は同じです。「お体の不自由なお客様」や、「お手伝いが必要なお客様」を優先的に機内に案内してくれます。
では、どんな方が「お手伝いが必要な方」になるのでしょうか?ANAとJALでは基本的には同じ定義になっていますが、具体的に確認してみましょう。
- 妊娠中のお客様
- 3歳未満の小さなお子様連れの方
- 6~7歳(希望により11歳まで)のお子様一人旅
- 高齢のお客様
これらに該当する場合は、事前改札サービスを利用することができ、最も早く機内に入ることが出来ます。
小さな子供を連れていたりすると、どうしても荷物をキャビに入れるのに手間取ったりするので、人が少ない間に準備を済ませられるというのは非常に大きなメリットですね。
事前改札サービスのタイミング
ANAでは、飛行機が動き出す時間の15分前くらいから搭乗手続きが開始されますが、一番初めに事前改札サービスの案内があります。そのため、搭乗手続きが始まるギリギリに行ってしまうと、すでに事前改札サービスが終わった後だったということもあるかと思います。
飛行機に乗り慣れていない場合ってかなりドキドキしますよね。最近飛行機に頻繁に乗っている自分も毎回その日に初めて飛行機に乗る際はちょっと緊張します。
まして、子供連れだったりして事前改札サービスを利用する場合ならなおさらですよね。
- 本当に事前改札サービスを利用できる条件に当てはまっているんだろうか?
- 搭乗口に行ったら対象外だって戻らされたらどうしよう
- 搭乗手続きでうまく改札を通れなかったらどうしよう
- 搭乗手続きで手間取って後ろの人に迷惑をかけたらどうしよう
などなど、久しぶりの飛行機だと不安要素がたくさんあるかと思います。
気持ちに余裕を持つためにも、時間に余裕をもって搭乗口には行っておきたいところですね。
優先搭乗
優先搭乗とは、航空会社の上級会員のお客様が一般のお客様に先んじて搭乗できるサービスです。
ANAやJALでは、飛行機に乗ることによって貯まるポイント(ANA:プレミアムポイント、JAL:FLY ONポイント)があり、そのポイント獲得数に応じて、航空会社の上級会員になることが出来ます。
ANA
ANAでは以下の3つのステイタスがあります。
- ダイヤモンド
- プラチナ
- ブロンズ
このうち、優先搭乗ができるのは、、「ダイヤモンド」と「プラチナ」だけです。「ブロンズ」では優先搭乗はできません。
ANAのステイタス以外にも、優先搭乗できる条件があります。
「プラチナ」か「ダイヤモンド」のステイタスの方だけが申し込めるクレジットカードで、スーパーフライヤーズカード(SFC)というものがあります。このクレジットカードを持っているだけで、優先搭乗が出来ます。優先搭乗以外にも、様々な特典があり、プラチナステイタスよりも少し劣る程度です。
スーパーフライヤーズカードについてはこちらの記事で解説しています。
また、プレミアムクラスに搭乗した際も優先搭乗することが出来ます。プラミアムクラスとは、普通席とは全く異なるサービスを提供してもらえる座席です。座席のゆとりが広かったり、路線に関係なく機内食が提供されたり、機内で飲めるドリンクが違ったり(お酒も飲み放題)と、一つ上のサービスを受けることが出来ます。ただし、運賃はその分普通席の倍近くします。
ANAはスターアライアンスに加盟しているため、スターアライアンスゴールドメンバーの方も優先搭乗することが出来ます。
ただ、日本人の場合はあまり意識するところではないかもしれませんね。ちなみに、ANAのステイタスもスターアライアンスゴールドかシルバーかに分類されます。
ここまでを整理すると、ANAの飛行機に乗る場合に優先搭乗できるのは以下のステイタスなどを持っている方になります。
- ダイヤモンドステイタス
- プラチナステイタス
- スーパーフライヤーズカード
- プレミアムクラス
- スターアライアンスゴールド
また、この中でもダイヤモンドステイタスは特別で、優先搭乗の中でもダイヤモンドステイタスのみの優先搭乗のあとに他のステイタスの優先搭乗があります。
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JAL
JALでは以下のステイタスがあります。
- ダイヤモンド
- JGCプレミア
- サファイア
- クリスタル
ステイタス構造もJGCプレミアを除けばANAと同じです。ANAでは「ブロンズステイタス」に優先搭乗権がなかったのと同様に、JALでは「クリスタルステイタス」は優先搭乗をすることが出来ません。
また、ANAのSFCと同様に、JALにもJGC(JALグローバルクラブ)というものがあり、「サファイアステイタス」以上になれば申し込むことが出来ます。クレジットカードを作り、年会費を払い続ける限りはステイタスが維持されるという点もSFCと同じです。
ANAではプレミアムクラスがワンランク上のサービスが提供される運賃として存在しましたが、JALではファーストクラスがあります。通常の運賃に8,000円を追加することで利用することが出来ます。
ANAのプレミアムクラスと同様、JALのファーストクラスも優先搭乗することが出来ます。JALではその他にも「クラスJ」という、通常の運賃に1,000円を追加することで利用できる座席もありますが、こちらは優先搭乗することはできません。
ANAは「スターアライアンス」に加盟していましたが、JALは「oneworld」というアライアンスに加盟しています。oneworldには、
- エメラルド
- サファイア
- ルビー
と、三段階のステイタスがありますが、JALのステイタスとの対応関係は以下の表のとおりとなっております。
ここまでをまとめると、JALで優先搭乗できるのは、以下のステイタスを保有している方などになります。
- ダイヤモンドステイタス
- JGCプレミアステイタス
- サファイア
- JALグローバルクラブ
- ファーストクラス
- ワンワールド:エメラルド
- ワンワールド:サファイア
JALでは、「東京(羽田)⇔大阪(伊丹)」とそれ以外の路線では優先搭乗の順位が異なります。「東京(羽田)⇔大阪(伊丹)」路線では、
- ダイヤモンドステイタス
- JGCプレミアステイタス
- ファーストクラス
- ワンワールド:エメラルド
がまず最初の優先搭乗の対象となり、それ以外の優先搭乗の対象となるステイタスの方は、上記の方々が全員搭乗されてからの搭乗になります。
勘違いしやすいことまとめ
ANA、JALともに、優先搭乗をおこなうための条件は上記の通りです。しかし、
「もしかしたらこれでいけるんじゃない?」
とふと思うこともあるかと思います。というか、自分自身、友人と飛行機の話をしていて、「これがあると優先搭乗できるらしいよ」という根も葉もないうわさ話をしていたこともあるので、紛らわしいところについてまとめておこうと思います。
プライオリティパスで優先搭乗できる?
できません。
プライオリティパスは、あくまでもプライオリティパスと提携している空港のラウンジを使うためのものです。航空会社の上級会員になれるものではないため、プライオリティパスを保有していたとしても、優先搭乗などの航空会社がわのサービスを受けることはできません。
そもそも、プライオリティパスを持っていたからと言って、すべての空港ラウンジを使えるようになるわけではありません。往々にして、航空会社のラウンジ(ANAラウンジやJALのサクララウンジ)は使用することができないケースがおおいため、航空会社とは全く関係ないものです。
ANAダイナースカードで優先搭乗できる?
条件付きでできます。
条件というのはSFC(スーパーフライヤーズカード)の国際ブランドがダイナースのものの場合は優先搭乗できます。SFCはANAの上級会員資格が得られるクレジットカードですので。
ただし、SFCでないダイナースカードであれば、ただのプラチナカードであり、航空会社とはなんの関係のないものですので、優先搭乗することはできません。
ダイナースのANAカードもありますが、SFCでない限りは優先搭乗はできません。ダイナースといえば、世間的にはかなりハイクラスのクレジットカードですが、国際ブランドと航空会社の上級会員資格とは何の関連性もございません。
ピーチやジェットスターに優先搭乗はある?
ありません。
格安航空会社には基本的に上級会員という制度自体がありません。そのため、優先搭乗という制度もないんですね。
そもそも、格安航空会社はサービスを減らして運賃を抑えているため、「飛行機が安全に飛ぶ」ということ以外の事象に対して大きな期待を抱かないほうがよろしいかと思います。
ただし、小さなお子さんがいたり、係員のお手伝いが必要な場合などは応じてくれるケースもあるようです。私が3年前に沖縄に行くために、関西国際空港からピーチを利用した際は、事前改札サービスのアナウンスはなかった記憶があるため、「確実に事前改札サービスがある」とは言えないです。
もし必要であれば、「もしかしたらいけるかも」くらいの気持ちで係員の方に尋ねてみてはいかがでしょうか。
家族も優先搭乗できる?
原則はできません。
優先搭乗できるのは、該当のステイタスの方本人のみです。そのため、夫婦で旅行する際に、夫がダイヤモンドステイタスだったとしても、妻は優先搭乗できないんですね。
SFCを発行して、家族カードも作っている場合であれば、夫婦で優先搭乗できますが、夫がダイヤモンドステイタスの場合は、一緒に優先搭乗することはできないため、先に夫だけが入るか、プラチナステイタス以降の優先搭乗の案内になってから夫婦そろって優先搭乗するという流れになります。
さらに、子供がいるとなった場合は、こどもはどうあがいても優先搭乗できないため、結局優先搭乗ではなく、一般のお客さんと一緒に搭乗することになります。
夫婦でSFCやJGCだった場合、子供くらいだったら多めにみて優先搭乗させてくれたりするのでしょうか。その辺は地上係員のさじ加減かと思います。ルール上はできませんが、もめ事を起こしたくないと係員も考えるでしょうから、案外すんなり通してくれたりするのでしょうか。
優先搭乗はをするべき?
優先搭乗をするための条件については先ほどご説明しました。ここからは、優先搭乗するステイタスなどを保有している場合に、優先搭乗をすべきかどうかを考えたいと思います。
「優先搭乗できるステイタスがあるのに優先搭乗をしないなんてもったいなくない?」
と思うかもしれません。しかし、優先搭乗しないほうがいい場合もあります。ちょっと上にある写真を見てください。こちらは、那覇空港から福岡空港に向かう搭乗口の写真です。ちょうど優先搭乗を待っているタイミングなのですが、この周りで見ている人々がみんな優先搭乗を行う人たちです。
優先搭乗を今か今かと待ち構えるサラリーマンたちの殺伐とした空気感を感じ取っていただけるかと思います。
優先搭乗の意味がない
先ほどの画像は、福岡から出張で沖縄に来たサラリーマンの方々ですかね。スーツの割合が多いです。スーツケースなどの大きな荷物を持っている方も多いですね。この便では、私はプレミアムクラスの席を取っていたので、優先搭乗したのですが、搭乗口を過ぎた先で渋滞が起きており、優先搭乗した意味があったのかどうか怪しいところがあります。
「荷物が多い=上のキャビネットに荷物をしまう人が多い=通路がふさがれる」
ということになり、なかなか列が先に進みません。
プレミアムクラスは飛行機の先頭にあるため、飛行機に乗り込んでからは渋滞は関係なかったのですが、飛行機後部の席の場合、優先搭乗したとしてもそこそこ時間がかかるかと思われます。
「沖縄→福岡」でさえこれだけの優先搭乗する人の数なのですから、日本一のビジネス路線である「東京(羽田)⇔大阪(伊丹)」の場合は、この比ではないくらい優先搭乗の方が多いことでしょう。
JALの優先搭乗で、「東京(羽田)⇔大阪(伊丹)」の路線だけ優先搭乗に順番があったのもこのためなんですね。
なので、「あえて優先搭乗をしない」という選択肢もありというわけです。
優先搭乗するべき路線
優先搭乗をするかどうかを考えるのは、あくまでもビジネス路線で優先搭乗をする人が多い場合です。なので、東京や大阪といった大都市の空港であればビジネス客が多いので優先搭乗のメリットが失われるということもありますが、観光客が大半の空港であれば、わざわざ優先搭乗を見送る理由がありません。
私は普段セントレア空港をメインで使っており、今年に入ってから3回ほどセントレアから沖縄に行き、3回とも優先搭乗を利用しましたが、私以外に優先搭乗をしている方は10人もいなかったです。そのため、全く混雑することなく搭乗手続きを終えられましたし、搭乗手続きをするために並ぶということもありませんでした。
また、那覇空港からセントレア空港に帰ってくる際もプレミアムクラスを使ったので優先搭乗を利用しましたが、優先搭乗を利用する方はそこまで多くない印象でした。なので、
ビジネス路線以外では優先搭乗は使うべきです。
ビジネス路線で発生する優先搭乗多すぎ問題
さて、ここまでは当たり前のことをさも詳しく解説したかのように書いてきました。問題なのは、「羽田空港→伊丹空港」などのビジネス路線ですね。
前述しましたが、この路線では往々にして「優先搭乗多すぎ問題」が発生しています。
- 優先搭乗する人が多すぎて意味がない
- 優先搭乗の待ちの列ができる
- 優先搭乗をした先で渋滞する
ということは、ANA、JALなど航空会社にかかわらず発生してしまうことです。そのため、優先搭乗をするかどうかを自分が置かれた状況から考える必要があります。
最も単純に考えるのであれば、
自分が座る席が窓側か通路側か?
ということですね。
優先搭乗だからと言って、自分が通路側なのに先に席に座っていた場合、普通席だと席の間隔が狭いため、窓側の方が来た場合は一度席を立つ必要があります。仮に、後ろの方の座席であれば問題はないかもしれませんが、真ん中くらいの席で、まだまだ人が奥に進んでくるという状況ならカオスですね。
人は通路を歩いてくるけど、窓側の席の人を座らせるには一度通路に出ないといけない。でも、通路をふさぐと渋滞が起こるし、かといって、窓側の人を待たせているのも通路をふさぐ原因になる・・・・
といった具合ですね。
自分が通路側に座るのであれば、優先搭乗するステイタスを持っていたとしてもあえて一番最後に乗り込むくらいの方がスムーズに事が運ぶこともあります。
ちなみに、これは事前改札サービスを利用するかどうか?とも関係します。小さいお子さんがいる場合は、移動するだけで一苦労ですから、、人が少ない間に荷物をキャビに入れたりしたいところなので、席が通路側か窓側か関係なく事前改札を利用したほうがいいかとは思いますが、高齢の方の場合は、通路側の場合、座ったのにまた立ち上がったりするのがおっくうな場合もあるかと思います。
沖止めの場合は優先搭乗が逆効果?
ビジネス路線でない場合も、優先搭乗をするべきか悩むケースがあります。沖止めといって、搭乗口を抜けたらそのまま室内を歩いて飛行機に乗り込むケース以外に、一度バスに乗って飛行機まで向かうということもあるんです。
その場合だと、優先搭乗の方だけをバスで先に送るということはしてもらえないため、飛行機に優先搭乗する権利ではなく、バスに優先搭乗する権利に変わっちゃうんですね。もちろん、早くバスに乗ることが出来れば、バスの座席は確保できるでしょう。
ただ、降りる順番は関係なくなるので、優先搭乗したがために、飛行機に乗るのは遅くなってしまったというケースも往々にしてあり得るので、飛行機が沖止めで、一度バスに乗る必要がある場合は、優先搭乗すべきか考えモノですね。長くバスにのる空港であれば、座席が確保できるのはありがたいですが、すぐに飛行機に着く空港の場合はあえて最後に乗り込むという選択肢もありかと。
さいごに
2017年にSFC修行をしている関係で、優先搭乗を利用していますが、「那覇→福岡」の便に乗るときに優先搭乗を利用した際は、
優先搭乗の意味がないやないか
と心の中で愚痴ってしまいました。
せっかく優先搭乗しても、中で渋滞が起きていては意味がありません。列に並ぶくらいなら、搭乗手続きをせずに、椅子に座って待っていたほうが楽ですし。
優先搭乗をしたほうがいい場合と、あえて優先搭乗をしないほうがいい場合があることを意識したうえで、自分にとって最も都合のいい選択ができるよう心掛けたいところですね。
それでは!kekureでした!